夏の休息【スレイヤーズ/ガウリナ】 2008年02月18日 スレイヤーズ/ガウリナ 0 夏の暑さに辟易してるリナとある意味リナの性格熟知してるガウリイ 夏の休息 ジリジリと照りつける太陽。 長く伸びる街道には、ゆらゆらと陽炎すら立ち昇っていた。 夏の旅路は、本音を言うならば…できれば遠慮したいものだ。 ものなのだが…… 魔道士協会からの依頼となれば、「暑いからヤダ!」などという言い訳は通用しない。 今朝も、まだ気温の低いうちに前の村を出発して… 数時間前、昼食ついでに短い休憩を取ったのだが、 「だ~ッ!もう!暑いっ!!」 とうとう、リナはまぶしい太陽に向かって雄叫びを上げた。 「誰の許可得て、照りつけてんのよ!!」 「何に喧嘩売ってんだよ…」 げんなりして、ガウリイはボソリ…と呟いた。 「なんか言った?ガウリイ」 不機嫌そうに振り返るリナ。 「怒鳴ってる方が暑いんじゃないか?」 「う~……」 まだなにやらブツブツ言っているリナを横目に、ガウリイは周囲を見回した。 「なぁ、リナ」 「なによ」 八つ当たり気味に睨みつけるのを気付かない振りして、ガウリイは街道脇の森を指差した。 「いや、ちょっとその辺の木陰ででも休憩しないか?」 「休憩?…って、ちょっとガウリイ!」 リナの返事を聞かず、ガウリイはすたすたと木陰へ歩いていってしまう。 「お、ここは涼しいぞ。」 どっかりと、大きな木の根元に座り込み、ガウリイはにっと笑った。 「なに勝手なことしてんのよ。」 口をヘの字に曲げつつも、ガウリイのいる木陰へとリナもやってくる。 ちょうどリナが木陰に入った時、サァッ…と風が吹き抜けていった。 座っていたガウリイの、立ったままのリナの…二人の長い髪をなびかせて吹きすぎた風は、日向の空気とは全く違うもの。 ザワザワ…と枝を揺らして。 足元の、青々しい雑草を揺らして。 風は、日差しのせいで火照っていた体に、涼をもたらしてくれた。 すとん…と、リナはガウリイの隣に腰を下ろした。 「どうせ、次の街まであと少しだしね。」 「今日中に着いたらいいんだろ?」 欠伸まじりに言ったガウリイが伸びをして、大きな幹に背中を預けた。 心地よい、穏やかな時間 少し日が蔭るまで休んでいこう PR