Memory…【スレイヤーズ/ルクミリ】 2007年08月30日 スレイヤーズ/その他 0 ルクミリ作品です。ルーク視点短編。 色々と哀しくて辛いですが…ミリーナ亡くした後くらいの話 昔出した極少数発行の突発本に収録していたものです Memory… しあわせ…だった……ともに過ごした日々 荒んだ心は癒されていた―― 一緒にいる…ただ、それだけで…… 「面白い人達だったわね。」 苦笑を浮かべてミリーナが言った。 ベゼルドで出会った、やたらがめつい嬢ちゃんとボケまくった兄ちゃんの二人づれと別れたのが、つい先程のこと。 「とんでもない奴らではあったな。」 どっからどう見ても、チビでガキにしか見えない女魔道士が、実は魔族と渡り合うようなやつだったり、ボケまくった剣士が、実は超のつくほどの腕前を持っていたり…… 世の中ってもんはわからんものだ。 「そうね。でも、いいコンビだったわ。」 「まあ、俺たちのらぶらぶ度に比べた…ら……」 冷たい視線に、黙り込む。 「これから、どうするの?」 「そうだな。久々に本業に戻るか?」 言うと、ミリーナは小さく微笑んで頷いた。 「まずは、情報収集からだな。」 微笑み返して言う。 「ええ」 そして並んで歩きだす 次の旅路へと…… 俺が俺でいられた日々。 心から笑えた日々。 もう……二度と戻っては来ない…… 人通りのない早朝の丘の上。 小さな墓石の前には、見覚えのない花が手向けられていた。 「あいつら……来たのか……」 小さく苦笑を浮かべ、両手いっぱいの花を手向ける。 しばらく、無言で佇み…… 「……行くよ。また……来るからな。」 そう言葉を掛け、踵を返す。 そろそろ、街の通りに人影が現れる時間だろう。 他人には……会いたくなかった。 そして―― 朝靄に紛れるように、彼の姿は消えた。 忘れられない……幸せだった頃の想い出 この先に待っているものが何であろうと… 未来へと続く路は、誰にも止めることはできない ルクミリです。ルーク視点です。 吹っ切りたくて限定で出した小冊子に入れていた話です。 修正してて、哀しくなりました。 原作を読み終えて、放心した時のことは忘れられません。 悲しみは時間が癒すというのは嘘だ…と告げたルーク。 忘れられないものだ…と言ったルビア。 あの最終巻を読み終えてから、昔書いたこれを読み返して…… 無意識のうちに、辛い結末を予想していたのかもしれないと 思い返しつつ、色々と考えてしまいました。 PR