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よみぢのほだし 小説の部屋

火弟巳生が書いた版権二次創作小説の置き場

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コイワズライ【スレイヤーズ/ガウリナ】

リナガウで、ちょっとツンデレ気味(?)のリナ
コイワズライ




 むしゃくしゃする。

 

 

 明りの消えた宿の部屋。

 リナは眠りを要求する体と正反対に冴えてしまった目を、天井に向けた。

 

 眠れない。

 眠っても、起きた時に眠った気がしない。

 何かがすっきりしない。

 原因は、多分……

 

 リナは大きくため息をついた。

 

「あたしらしくないったら、ありゃしない。」

 

 告げられたのは次の行き先。

 ゼフィーリアに行こうという、珍しい行き先の提案。

 理由はブドウだとか言っていたけれど…

 

「こんなことでいちいち…」

 

 動揺している自分に腹が立つ。

 動揺する自分に腹が立つことがイライラする。

 蒼い瞳が自分を見るたびに、ドキドキしてしまう。

 本当は…別の理由なんじゃないか…と「期待」している自分に、気付かないようにしている自分。

 

「あ~!もうぅ!」

 

 確かめることもできない。

 だからといって、このままじゃ寝不足だ。

 心がざわざわして落ち着かない。

 脈拍が速い。

 熱病に罹ったようになる。

 それはまるで、不治の病。

 

 気付くと気付かないの間の、曖昧な感情。

 いや…ただ、気付きたくないだけなのかもしれない。

 認めれば、きっと楽になる。

 心のどこかで囁く声。

 

「はっきりしないアンタが悪いんだからね!ガウリイ!!」

 

 ぽつりと呟いて…リナは不貞腐れたように寝返りを打った。

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