忍者ブログ

よみぢのほだし 小説の部屋

火弟巳生が書いた版権二次創作小説の置き場

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

光の輪舞【スレイヤーズ/ガウリナ】

ほのぼのガウリナ 
光に彩られた夜に抱く想い
光の輪舞


 

 街は、輝きに彩られていた。


 

 旅の途中で立ち寄った街では、冬を祝う祭が行われていた。

 大通りを中心に、木々や建物に飾りつけられている灯火。

 太陽の力が弱まるこの季節、人々は、その力を取り戻そうとして祭を行うのだという。

 

 横を過ぎていったのは、楽しげな親子。

 窓から見える家の中には、団欒の暖かな様子。

 

 ふ…と脳裏を過ぎったのは、今は遠い昔のこと。

 一人きりで過ごした、寒い冬の夜のこと。

 

 

 

 

「冬の寒さなんて……」

 ぽつり、とリナが零した。

「すっかり忘れてたわ。」

 

「そうだな……」

 

 苦笑を浮かべたリナへ答えるガウリイも、苦笑を浮かべていた。

 

 

 

 触れ合い、どちらからともなく繋がれた手から伝わるぬくもり。

 

 ふと交わされた視線。

 自然と浮かぶ微笑み。

 

 

 

「…帰ろうか……」

 

 

 暖かな部屋へ。

 いつもの日常へ。

 

 

 寄り添い、歩き出す。

 

 胸の奥の、あたたかな想いを大切に抱きながら……

拍手

PR