読書に食欲に…【スレイヤーズ/ガウリナ】 2008年08月30日 スレイヤーズ/ガウリナ 0 〇〇の秋といえば…で浮かんだのは読書と食欲(笑) 読書に食欲に… 「今日は一日、魔道士協会の図書室に籠るから」 そう宣言してリナが宿を出て行って、はや半日。 「リナのやつ、早く帰ってこないかなぁ…」 宿の部屋にいるのにも飽きて、ガウリイは町へと繰り出した。 以前、リナが本を読んでいる横で爆睡して殴られて以来、ガウリイは、図書館について行くことを禁止された。 ガウリイとて、自分がリナの調べものの役に立てないことくらいは分かっていたが…… 待っている時間…というのは、なかなか過ぎていかず、退屈なものだった。 一人で旅をしていた頃は、どうやって過ごしていたんだろう… 思い出そうとしても思い出せない。 考えることを諦めて、ガウリイは、よく晴れた空を見上げた。 * * * 「ガウリイのヤツ、大人しく待ってるかな…」 傾いた陽が町を朱く染める。 リナは、魔道士協会を出て、宿への帰り道を急いでいた。 歓声を上げながら駆けて行く子供たちは、今から家に帰るのだろう。 朝方準備していた露店は、訪れる夜に向けて、既に片付いてしまっていた。 「あれ」 この町の中央には、少し開けた緑のある公園があった。 ふと視線に入ったのは、緑の木陰に置かれたベンチの一つに、夕陽に映える金色の塊。 リナは溜息をついて、そちらへと歩み寄ると、大きく息を吸い込んだ。 「くぉらぁっ!ガウリイッ!」 「どわぁっ!!」 怒鳴り声と共に降ってきた拳に、ベンチで寝入っていたガウリイは悲鳴を上げて地面へと墜落する。 「あんたは、こんなトコで寝てんじゃないわよ!!恥かしいわね!」 「いや、暇だったからつい…」 「あのねぇ……」 頭痛がした。 「なあ…」 更に文句を言い募ろうとしたリナの言葉を遮って、ガウリイが言う。 「なによ。」 「腹、減ったな。」 「・・・・・・」 全身から力が抜けた。 次第に藍色に染まってゆく町。 二人並んで宿に戻る道。 家々から、夕食の美味しそうな匂いが漂っていた。 END PR