雪景色【スレイヤーズ/ガウリナ】 2008年08月30日 スレイヤーズ/ガウリナ 0 雪に喜ぶワンコガウリイ(笑)と子供たちに反則技教え込むリナ 雪合戦の図 雪景色 「おい!リナ、見てみろよっ!」 勢いよく、ノックもなしに開いた宿の扉。 「うるさい!」 不機嫌な声と共に、ガウリイの顔面を枕が直撃した。 外は一面の銀世界だった。 昨晩、あれほど静かで寒かったのは雪が降っていたからなのか…と、リナは納得する。 「折角、雪がたくさん積もってるから教えてやろうと思ったのに…」 「勝手に乙女の部屋に乱入してきて何言ってんの!」 拗ねてしまったガウリイを睨んで…リナは、その背中を蹴っ飛ばした。 「ほら、行くんでしょ?外。」 無愛想に言い捨てて、外に出る。 「おう!」 犬ならば尻尾を振っているかのように、ガウリイが後に続いた。 歩くと、二人の足跡が真っ白な道に残ってゆく。 ガウリイは、道も屋根も広場も、真っ白になってしまっている町を、物珍しそうに見回していた。 ぼすっ! 「痛っ!」 突然、後頭部に何かがぶつかって、ガウリイは驚いて頭に手をやる。 「冷たい……」 「なに、ぼ~っとしてんのよ!」 指に感じた冷たさは…雪だろうか? 首を傾げたガウリイに、リナのからかうような声。 そして、再び頭に当たる何か。 「ッ!」 下に落ちたものを見て、ガウリイは、それが雪玉なのだと気付く。 「リナッ!!」 「ぼーっとしてる方が悪いのよ。」 にやり…と笑いながら、手にしていた雪玉を、ガウリイめがけて投げるリナ。 ひょい…、とガウリイが避ける。 「ちっ…」 「お前なっ!」 言って、ガウリイは足元の雪を集めた。 突如始まった二人きりの雪合戦。 ふ…と気が付くと、町の子供たちまで集まってきて…… 「いい?石ころ入れるのは反則。でもね、こうやって…かた~く作れば反則じゃないから。」 「リナ!そういうことを子供に教えるなっ!」 「それから…その、かた~く作ったのは、あのお兄ちゃんにぶつけていいわよ。他の子には駄目。分かった?」 「こら~~~っ!」 太陽が空の天辺に来て、お昼ごはんだと子供たちの親が呼びに来るまで…… 町中を舞台にした大雪合戦は続くのだった。 PR