1111の日【文アル/乱司書】 2018年11月11日 文豪とアルケミスト 0 ポッキーの日にツイッターに投稿したお話。 1111の日 「というわけで、こちらをドウゾ」 にこにこと楽しげな笑みを浮かべながら差し出されたものに、さてどこからツッこめばばよいだろうかと私は溜め息を吐いた。 カレンダーは11月11日を示していて、指先に挟まれこちらに向けて存在を主張しているのがチョコレートを纏う細長い菓子ということは、これは『ポッキーゲーム』と呼ばれるものへの誘いなのだろうけれど…… 「どうして青くしちゃったんですか?」 「オヤ、アナタの興味はそこなのですか」 「他にもツッコミどころ満載ですよ!」 私の問いに乱歩先生が目を瞠ってくすりと笑う。 「ふむ……まあ、そんなことはどうでもよろしい。サアサア、司書さんドウゾ」 ずいと私の方へと近付く青色になったポッキー。トウゾじゃない!と渋い顔をして見せても、乱歩先生は引き下がらない。 仕方がない……と口を開ければ、目の前の顔がにんまりと笑みを浮かべた。 「アナタ、そんなに素直だと簡単に騙されてしまいますよ」 え?と目を瞬かせた私の唇に触れたのはポッキーではなかった。 「このように、ね」 ああ、今のは乱歩先生の唇だったのかと思い当たり、私は目を瞠る。何をするのだと抗議しようと開いた口の中へと差し込まれたのは、青いチョコを纏うポッキー。 「フフフ……では、ゲームを楽しむことにいたしましよう」 やけに嬉しそうな声が耳に届いた。 PR