忍者ブログ

よみぢのほだし 小説の部屋

火弟巳生が書いた版権二次創作小説の置き場

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

1111の日【文アル/乱司書】

ポッキーの日にツイッターに投稿したお話。


1111の日


「というわけで、こちらをドウゾ」
 にこにこと楽しげな笑みを浮かべながら差し出されたものに、さてどこからツッこめばばよいだろうかと私は溜め息を吐いた。

 カレンダーは11月11日を示していて、指先に挟まれこちらに向けて存在を主張しているのがチョコレートを纏う細長い菓子ということは、これは『ポッキーゲーム』と呼ばれるものへの誘いなのだろうけれど……
「どうして青くしちゃったんですか?」
「オヤ、アナタの興味はそこなのですか」
「他にもツッコミどころ満載ですよ!」
 私の問いに乱歩先生が目を瞠ってくすりと笑う。
「ふむ……まあ、そんなことはどうでもよろしい。サアサア、司書さんドウゾ」
 ずいと私の方へと近付く青色になったポッキー。トウゾじゃない!と渋い顔をして見せても、乱歩先生は引き下がらない。
 仕方がない……と口を開ければ、目の前の顔がにんまりと笑みを浮かべた。
「アナタ、そんなに素直だと簡単に騙されてしまいますよ」
 え?と目を瞬かせた私の唇に触れたのはポッキーではなかった。
「このように、ね」
 ああ、今のは乱歩先生の唇だったのかと思い当たり、私は目を瞠る。何をするのだと抗議しようと開いた口の中へと差し込まれたのは、青いチョコを纏うポッキー。
「フフフ……では、ゲームを楽しむことにいたしましよう」
 やけに嬉しそうな声が耳に届いた。

拍手

PR