TRICK or ...?【文アル/乱司書】 2018年10月31日 文豪とアルケミスト 0 ちょうどハガレンコラボ中にハロウィンでしたね。 彼らはその日に帰ってしまいましたが… 悪戯といえば、この先生ですねというわけで TRICK or ...? 悪戯を仕込んでいるのは知っていた。 そわそわと、悪戯されてはたまらないとばかりにお菓子を準備して臨戦態勢になっている先生方を横目に、私は司書室へと向かった。 「なんか騒がしいな」 司書室のソファには金の髪の少年――エドワードくんの姿。もうそれほどの時間も待たず、彼とその弟は元の世界へと帰ることになるだろう。が、時間を惜しむように図書館の本を読み漁っているようだった。 「今日はハロウィーンですからね。悪戯されたくないからお菓子の準備で皆さん大忙しです」 肩を竦めて見せれば、じゃ俺も参加すっかなと言い出すエドくんへポケットから出した包みを渡す。 「準備いいんだな、アンタも……あっ」 「トリック オア トリート」 突然背後から聞こえたきた声。誰なのかなんて振り返らずとも分かる。 「残念ですが、手持ちのお菓子は今ので最後です」 振り返りつつ、両手を上にあげる。 「ホホウ、では悪戯……ということになってしまいますが?」 少しだけ驚いたような顔をした乱歩先生が、すぐににっこりと笑みを浮かべた。 「そうなりますね」 苦笑を浮かべる私。 これ返そうか?と遠慮がちに聞いてくるエドくんに首を横に振って見せ、私は軽くウインクした。 「乱歩先生が準備した悪戯、折角なので見せてください」 「マッタク、アナタという人は」 クスクスと乱歩先生が笑う。エドくんが目を瞬くうちに、乱歩先生が私の耳元で囁いた。 「では、夜半にお部屋にお邪魔いたします」 どうかしたのか?と問うエドくんには何も返事できないまま小さく頷くことしかできない私。 「イイエ。アナタが気になさるようなことは、なにひとつありませんよ」 そう言った乱歩先生が、エドくんへとにこりと笑みを向けたのだった。 PR