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よみぢのほだし 小説の部屋

火弟巳生が書いた版権二次創作小説の置き場

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ありがとう。そして…【遙か1/鷹あか】

現代ED後≪神子一人称≫1222hit記念
「鷹通さん、はっぴ~ば~すでぃ♪」な、プレSS。
クリスマス前にやってくる誕生日の贈り物に悩む神子の想い


ありがとう。そして…




毎日、寒い日が続いていた。

 

もうすぐ、高校生になって初めての冬休み。

クリスマスや大晦日、お正月…と、色んなイベントごとが目白押しだ。

けれど……

私にとっては、それより前に…もっと大きなイベントが待ち構えていた……

――そう……

 

 

「京では、年明けと共に一斉に年をとったのです。」

 

私の誕生日の時、あの人は微笑みながらそう教えてくれた。

 

「こちらの世界でも、昔はそうだったようですが……

 今は、生まれた日に祝う風習が普通なのですね。」

 

不思議そうに、けれどどこか楽しそうに…真剣な顔つきで話すあなたは…相変わらず、真面目で勉強熱心。

だけど、私も知らなかった私の世界のことを…京のことと交えて教えてくれるから、いつも話に引き込まれてしまう。

つい、聞き入ってしまう。

 

「正月には『歳徳神』という神が訪れて、人々に新しい魂を与えるのだそうです。

 ――それで、正月に皆、歳をとるわけなのですが……」

 

ふと、思いだしたように私を振り返り、苦笑を浮かべ…あなたは、いつもこう続ける。

 

「申し訳ありません。このような話、面白くないですね。」

 

本当に申し訳なさそうに言うから、それがとても可笑しくて、私は、つい…くすくすと笑ってしまう。

そんな私に、少し驚いた表情を浮かべるあなた。

 

「ごめんなさい。」

 

謝って、私は微笑み返す。

 

「もっと、いろんなことを教えてください。

――私、自分の世界のことなのに全然知らなくて……色々と教えてもらえて嬉しいんです。」

 

ふ…と優しい笑みを向け、あなたが頷く。

 

そんなひとときがとても嬉しい。

異なる世界――違う時空で、産まれ生きてきた私たちが、今ここで一緒に笑いあっている。

……それはとても不思議で、でも…とても幸せなこと。

 

 

 

年の瀬が押し迫り……街中はクリスマス気分で大いに盛り上がる――そんな頃。

あなたの生まれた日がやってくる。

どうしたら喜んでもらえるか分からない。

聞いても、きっと…私の望む答えは帰ってこないから。

私は懸命に考える。

 

クリスマスより早くやってくる、私にって、とても大切なイベント。

回りの人たちが、聖夜を待ち遠しくしている中で……私は、一足先に訪れる「聖なる日」を待ち焦がれてる。

 

 

12月22日――もうすぐ、待ち遠しいその日が来る。

その日が来たら、伝えよう。

大切な……大好きなあなたへ。

あなたが生まれたこと…あなたと出会えたこと…あなたと共にいられること……

全てに感謝しながら――

 

「鷹通さん、お誕生日おめでとう。」

 

 ――って……

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