ありがとう。そして…【遙か1/鷹あか】 2006年12月22日 遙かなる時空の中でシリーズ 0 現代ED後≪神子一人称≫1222hit記念 「鷹通さん、はっぴ~ば~すでぃ♪」な、プレSS。 クリスマス前にやってくる誕生日の贈り物に悩む神子の想い ありがとう。そして… 毎日、寒い日が続いていた。 もうすぐ、高校生になって初めての冬休み。 クリスマスや大晦日、お正月…と、色んなイベントごとが目白押しだ。 けれど…… 私にとっては、それより前に…もっと大きなイベントが待ち構えていた…… ――そう…… 「京では、年明けと共に一斉に年をとったのです。」 私の誕生日の時、あの人は微笑みながらそう教えてくれた。 「こちらの世界でも、昔はそうだったようですが…… 今は、生まれた日に祝う風習が普通なのですね。」 不思議そうに、けれどどこか楽しそうに…真剣な顔つきで話すあなたは…相変わらず、真面目で勉強熱心。 だけど、私も知らなかった私の世界のことを…京のことと交えて教えてくれるから、いつも話に引き込まれてしまう。 つい、聞き入ってしまう。 「正月には『歳徳神』という神が訪れて、人々に新しい魂を与えるのだそうです。 ――それで、正月に皆、歳をとるわけなのですが……」 ふと、思いだしたように私を振り返り、苦笑を浮かべ…あなたは、いつもこう続ける。 「申し訳ありません。このような話、面白くないですね。」 本当に申し訳なさそうに言うから、それがとても可笑しくて、私は、つい…くすくすと笑ってしまう。 そんな私に、少し驚いた表情を浮かべるあなた。 「ごめんなさい。」 謝って、私は微笑み返す。 「もっと、いろんなことを教えてください。 ――私、自分の世界のことなのに全然知らなくて……色々と教えてもらえて嬉しいんです。」 ふ…と優しい笑みを向け、あなたが頷く。 そんなひとときがとても嬉しい。 異なる世界――違う時空で、産まれ生きてきた私たちが、今ここで一緒に笑いあっている。 ……それはとても不思議で、でも…とても幸せなこと。 年の瀬が押し迫り……街中はクリスマス気分で大いに盛り上がる――そんな頃。 あなたの生まれた日がやってくる。 どうしたら喜んでもらえるか分からない。 聞いても、きっと…私の望む答えは帰ってこないから。 私は懸命に考える。 クリスマスより早くやってくる、私にって、とても大切なイベント。 回りの人たちが、聖夜を待ち遠しくしている中で……私は、一足先に訪れる「聖なる日」を待ち焦がれてる。 12月22日――もうすぐ、待ち遠しいその日が来る。 その日が来たら、伝えよう。 大切な……大好きなあなたへ。 あなたが生まれたこと…あなたと出会えたこと…あなたと共にいられること…… 全てに感謝しながら―― 「鷹通さん、お誕生日おめでとう。」 ――って…… PR